天使のあくび 14
              「あのね〜、うんとね〜、それでルヴァさまがね〜」                クラヴィスの館に戻りベッドに入れられたジュリアスは必死になってルヴァ               の館であったことをクラヴィスに伝える拙い言葉をクラヴィスは静かに聞く。               「そうか、それは良かったな・・・楽しかったか?ジュリアス」               「うんっ、たのしかった!クラヴィスさまもこんどあそぼ」               「あぁ、そうだな・・・。」                ジュリアスの言葉をクラヴィスは肯定も否定もしなかった。今自分が抱え               ている執務が果たして何時終わるのか分からないが、ここできっぱりと“遊               べぬ”と答えてしまうのは大人の言動とは思えなかったからだ・・・               「ほらっ、もう寝ろ。ジュリアス・・・今日も沢山遊んで疲れただろう」               「クラヴィスさまは?おしごとつかれた?」                               くりくりと瞳を開いてジュリアスは問うてくる。               「いや・・・。」               「よかったぁ〜。あしたもクラヴィスさまおしごと?」               「あぁ・・・・」               「あしたもあそべないの?」               「すまないな」                クラヴィスがそう言うとジュリアスは少し悲しそうな顔をした。髪を梳き               ながらクラヴィスは“明日は無理かもしれないが1週間後なら大丈夫だ”と言               った時ジュリアスの瞳がキラキラと輝いた。               「いっしゅうかんごいつ?」               「今度の水の曜日だ」               「ほんと?ほんとにクラヴィスさまあそべるの?」               「あぁ」               「じゃあ、やくそく・・・ゆびきりげんまん」                小指を絡ませて指切りげんまんをした。クラヴィスが“一体誰に教わった               のだ?”と聞くと“ルヴァさまにおしえてもらったぁ”と嬉しそうに答えた               なるほど、ルヴァならこういう事を如何にもしそうだとクラヴィスは思う。               「クラヴィスさまとあそべるのたのしみー」               「そうか、楽しみか」               「うんっ」                        ジュリアスのベッドにクラヴィスも横たわり波を打つように流れる金色の               髪を手で梳いていると次第にジュリアスの瞼が降りてくる。ウトウトと眠り               始めるジュリアスに誘われるようにクラヴィスもまた何時しか夢の中にいた。                腕の中にいるジュリアスは柔らかく暖かい、そして陽の香がする・・・そんな               香をききながらクライヴィスは遠い昔の記憶の彼方に子供の頃2人で遊んだ               時のことを夢に見ていた。
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