天使のあくび 11
「ただいまぁ〜ルヴァ!2人の洋服取りに行ったら変なのが2人付いて来ちゃっ
たよ」
バタンッと勢い良くオリヴィエは扉を開いて入ってきた。今迄平和にお茶をす
すっていたルヴァがビクッと肩を揺らす。
「ビ、ビックリするじゃありませんか・・・オリヴィエもっと静かに入ってきて下
さいよぉ〜。おや、オスカーにリュミエールではありませんかどうしたので
すか?」
「あぁ、俺はジュリアス様の様子を見に来たんだ」
「私は美味しいお茶が手に入りましたのでルヴァ様にもお裾分けをと思いまして」
「あ〜そうですか、ありがとうございます。」
「ルヴァ、あの2人は?」
「まだお風呂ですよぉ〜」
「そう」
いい加減出さないと茹で上がっちゃうわよねとオリヴィエはバスルームに移
動する。
「ちょっとオスカー・・・・」
「何だ?」
「付いてこないでくれる?」
「別にいいじゃないか・・・」
「良いから来ないの!!」
オスカーを閉め出すとバタンッと扉を閉めた。
「チッ」
オスカーは作戦失敗?と舌打ちをした。扉の向こうからは楽しそうな声が響
いてくる。
「はぁ〜い、2人ともいい加減に上がりなさいよ」
「「はぁ〜い」」
ザパッと湯が揺れる音がする。
「ほらほら、ジュリアスはこっち・・・あぁ、マルセル服はそこに置いてあるから
ね。」
「ありがとうございます。オリヴィエ様」
「さぁ、ジュリアスバンザーイってして」
「はぁーい」
きっとオリヴィエがジュリアスの身体を拭いているのだろう・・・。オリヴィエ
が色々ジュリアスにああしてこうしてと言っている声が聞こえる。
「まぁ、なんて可愛らしいお尻なのかしらvぷにぷにしちゃってもうっ」
「きゃはは・・・」
オリヴィエめ、ジュリアス様に何てことをとオスカーが扉のノブを掴んで開
こうと思ったら鍵が掛かって開かない。オリヴィエが安全策として鍵を掛けた
のだ。オスカーはオリヴィエが一枚上手だったと扉を開けるのを諦めた。
「よいしょっと!ハイできた。もう出ても良いよ2人とも・・・」
カチャリとノブの回る音がすると薔薇色の頬をした2人が出てきた。
「あー、オスカー様。いらっしゃったんですか?」
「あっ、あぁ・・・」
「あ〜オスカーさまだぁ」
ジュリアスはキラキラと瞳を輝かせてオスカーを見上げた。ジュリアスの余
りの愛らしさにオスカーは手を伸ばし抱き上げようとしたところ横から別の手
が伸びてジュリアスをかっ攫われた・・・
「はぁ〜い、ジュリアス。この人は危険だからアッチいこうねぇ」
「オイッ、オリヴィエッ」
「だめだよー。この人は危ない人だから、近付いちゃだめですよぉ」
オスカーから隠すようにジュリアスを抱き上げる。
「オリヴィエさま、クラヴィスさまといっしょのこという」
「ん?クラヴィスと?」
「うん、クラヴィスさまもおすかーさまは“あぶないからいっしょにいちゃい
けません”っていった」
「流石はクラヴィスだね。要注意人物を心掛けているじゃん☆」
「おいっ!それはどういう意味だ!」
「さぁ〜ね。どういう意味でしょう・・・」
オリヴィエはフフンと鼻を鳴らしてルヴァ達の方へ行ってしまった。すると
今迄黙って2人を見ていたマルセルが“しょうがないですよね、オスカー様”
と言ってオリヴィエの後を追った。オスカーは「こんなガキにまでコケにされ
た」とショックを受けながらもマルセルの後を追っていった・・・。皆が集まる
部屋では楽しそうな声が響いていた・・・。
「ジュリアス様、待て〜」
「きゃはは〜」
マルセルとジュリアスが楽しそうに部屋の中を走り回っている。その姿が微
笑ましくて見ているこっちが自然と口元に笑みが浮かぶほどの姿だった。その
姿を見てしまったオスカーは自分が腹を立てている事を忘れルヴァ達がお茶を
しているテーブルに座り自分もお茶を飲みながらジュリアス達の姿を見ていた。
口元にはうっすらと笑みを浮かべて・・・・
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