天 穹

vision T

花は野にあるように 移りゆく季節の中で 変わらないでいることの強さ 私が私であるために 貴方が貴方であるために とても愛おしい季節の中に 取り戻したい気持ちがあります 私が貴方を必要な理由・・・・ それは、私が私であることの必要性
          ・・・・ジュリアスを探して3年が経とうとしていた・・。秋から冬に変わろ          としている時期に私はリリー・オブ・ザ・バレーと言う惑星に居た。今迄          に住んでいた主星とは全く違う惑星であるものを待っていた。           それは、ゴールデンベルズへのシャトル。そのシャトルに乗るためには          1週間この街に滞在していなければならない・・・。ゴールデンベルズそこに          ジュリアスを見つけた名前からしてアレらしいと見つけた時からそう思っ          ていたが、守護聖の時よりも幾分鈍ってしまった占いの能力でやっと見つ          けたのだ。水晶球の中にジュリアスを見つけた時は、我知らず涙を流して          いた。ジュリアスが動いている・・・。生きている・・・。その姿を見られるだけ          で涙が止めどなく溢れ出していた。          「・・・さて、今夜泊まる宿でも探すか。」           ジュリアスを捜し出してから重かった足が何時の間にか軽くなっていた          。沈んでいた気持ちも軽やかに後少しだけ掛かってしまうが1週間もすれ          ばジュリアスに会えるという思いが、今私を動かしていた。           あれから3年クラヴィスはほんの少しだけ年を取り肩に付くぐらいのサ          ラサラと流れる漆黒の髪を一括りにしてダークグレーのコートを着て街角          にタバコを吹かしながら(さて、何処にしたものか・・・)と考えていた。          誰もが一目見ては立ち止まり遠回しに見惚れているなどクラヴィスは気が          付いていなく・・・・。ただ、気怠そうにタバコを吹かしている・・・・。          「この様なところに居てもしょうがない。歩いて探すか・・・。」           紫煙をともなってクラヴィスは雑踏の中に消えていった・・・。                 * * * * * * * * * * * * * * * *         「ふぅー。参ったな・・・。」          あれから色々なホテルをあたってみたが今はNEW YEARの客と重なり         部屋が空いているホテルなどなかった。最低、(ビジネスホテルになるな)         と考えていると目の前に大きな公園が見えた。         「暫く、あの公園でもう一度考えるか・・・」          その公園はレイモナ公園と書いていあった。緑が生い茂り、鳥たちが歌いあ         っていた。公園の中央には大きな噴水があり、噴水の中心にオブジェとして二         人の愛らしい天使が戯れていた。水のベールを被り日の光を浴びキラキラと煌         めいていてとても眩しかった。その天使に吸い寄せられるようにクラヴィスは         噴水に近づく・・・。          すると、煌めくベールの下に独りの天使が座っていた。髪は日の光をそのま         ま写した黄金の髪。年は5才から7才くらいだろうか・・・。膝を抱えて蹲ってい         たその姿が幼い頃のジュリアスと重なりクラヴィスは声を掛けられずには居ら         れなかった。         「どうしたのだ?この様なところに蹲って、具合でも悪いのか?」                   声を掛けられて驚いたのであろう、ビクッと肩を振るわせると恐る恐る天使         は顔を上げた。         「・・・・何でもない」         「・・・・っ!ジュリアスッ!」          私は思わずその天使の小さな肩を掴んで叫んだ。それは、余りにも幼い頃の         ジュリアスに似ていて、煙るような黄金の髪、サファイアの瞳、桜色の唇。何         処を見ても幼い頃のジュリアスそのままだった。         「・・いっ。いたいっ!はなしてっ」                  幼いジュリアスが涙声でそう訴えてきた。私は力の限り細い肩を掴んでいた         のだから当たり前のことだ。         「すまない・・・。」                 私の力で乱れてしまった服を直してやると、小さなジュリアスが訪ねてきた。         「おぢちゃん。誰?」         「・・・おぢっ!」          クラヴィスは初めて「おじちゃん」と言われた事にショックを受けていた。確         かにこの年の子から見れば私は「おじちゃん」だろうが・・・。だが、ここで妥協し         てはならない。         「私は(おぢちゃん)では無い。クラヴィスという名前があるのだ」         「クラヴィス?おぢちゃん、クラヴィスって言う名前なんだ。」          小さなジュリアスは瞳をキラキラとさせながらそう言った。         (・・・だから、おじちゃんでは無いのに・・・)          とクラヴィスは内心ガックリしながら小さなジュリアスの名前を聞いた。         「そなたの名前は何というのだ?」         「・・・ぼく?ぼくの名前はアドニス。」          それが、これからのクラヴィスの旅に波乱を来す出会いだった。その豪華な容         貌からは想像も出来ないものを持っている少年だった。その時、噴水の水飛沫が         風で舞い二人の間をキラキラと輝く水の妖精が飛び去っていった・・・。                           
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                                「蒼穹」の第2部「天穹」がはじまりました(T▽T)                                さて、どのくらいの長さになるかは本人も分からない                                のですが(汗)とにかくジュリアスとクラヴィスが出会                                える事を祈念しつつ・・・・。