スモルニイ学園 幼稚部2





 「おいっ!何が大変なんだ!?ルノー・・・」  「つっ着けば、分かりますから・・・・あっあの門を曲がったところです!」  アリオスのエプロンを掴んだままその門をルノーが曲がるのでアリオスは遠心力で大きくふくらんだ・・・。 転びそうになるのを必死に耐えると、目の前に言い争いをしている3人?・・・正確には2人が見えた。 「おい!ルノーあれか大変なことってヤツは・・・」 「はっはい・・・・そうです。」  毎度のことながらあの3人はよくもめている・・・。(内心またか・・・)と溜息を吐きつつもほっておけない ので仲裁に入る・・・・ 「おーい。クラヴィス・リュミエール・ジュリアス!お前達はまた喧嘩をしているのかどうして、お前達は 仲良く遊べないんだ。」  そこにいた3人はくるりとアリオスを見た。3人は水色のスモックを着ている。リュミエールは背中まで 伸びている水色の髪をポニーテールにしている。クラヴィスは漆黒の真っ直ぐな髪を肩に付くぐらいのとこ ろで綺麗に揃えてある。ジュリアスは緩くウェーブのかかった日の光を写したような髪をしている。 「だって、クラヴィスがわたしと(遊ぼうね)って約束したのにリュミエールと遊ぶって言うから・・・」 「だがら、クラヴィスはわたくしと遊ぶんだからジュリアスはアッチに行って!」 「・・・・だから、みんなで遊ぼうよ・・・・」  まったく何時も通りの(わたし・わたくしと一緒にあそぼう・・・)の言いあいだった・・。この3人は何時も 誰が誰と遊ぶかで喧嘩をしている。何時もはオスカーがいる分音便にすんでいるのだが本日肝心のオスカー はおたふく風邪でお休みである・・・(よかったねオスカー早めにおたふくになって・・理由?理由はそのゴニョ ゴニョ・・・)だから、止める者がいなくてアリオスの目の前でだんだん喧嘩がエスカレートしてくる・・・。 「なんで?クラヴィス、私といちばんはじめに遊ぼうって約束したのに・・・・」  ジュリアスとクラヴィスの間で交わされた約束は本当である。一緒に二人で遊ぼうと約束したのだ・・・。 それなのにリュミエールとも遊ぼうとクラヴィスは言い出した。 「クラヴィスはジュリアスといつも遊んであきちゃったんですよねぇ〜」 「ほんと?クラヴィス・・・・」  とわたしが聞くとクラヴィスは下を向いてしまった・・・。って言うことは本当ってことなのかな?するとリュ ミエールがクラヴィスの手を引っ張って(アッチに行こう・・・)とクラヴィスと一緒に歩き出した。まっ待っ て・・・。わたしはクラヴィスの手を引っ張った・・・。 「クラヴィス、行っちゃあダメー」  グイッとわたしの方に手を思いっきり引っ張った。 「はなしてよ!ジュリアス、クラヴィスはわたくしと遊ぶんだから!!」  リュミエールも思いっきり自分の方へ手を引っ張った・・・。クラヴィスの取り合いである二人は思いっきり 力いっぱい手を引っ張った・・・。クラヴィスがあまりの痛さに顔をゆがめる・・・。それに気が付かない二人はな おも引っ張り続ける・・・。 「いたいっ!」  クラヴィスが小さな声で言った。とても小さな声でいったからとても聞きづらかったのだがジュリアスに はちゃんと聞こえた・・。 (いたい?クラヴィスがいたがってる・・・・)  ジュリアスは手をパッと離した・・。それがあまりにも急だったので思い切り強くひっぱりあっていたリュ ミエールとクラヴィスが勢い良く後ろに倒れ込んだ・・・。 「ひどい!ジュリアスのばか!・・・だいじょうぶ?クラヴィス、こんなジュリアスほっといてあっちにいこ!」 「・・・・」  リュミエールはクラヴィスの手を取るとクラスの方に歩いていった。クラヴィスはジュリアスをじっと見 つめているだけだった・・・・。 「ジュリアス・・・・。」  アリオスは一人きりになったジュリアスが心配になって声を掛けたが俯いたまま何も言わない・・・。しゃが み込んでジュリアスの目線と同じになった時アリオスは気が付いた。ジュリアスは瞳にいっぱい涙を溜めて いた透明でキラキラと光る涙が今にも零れそうで・・・。 「ジュリアス・・・。他の皆と遊べばいいじゃないか・・・なっ?ほら、あそこにオリヴィエがいるぞ・・・おーい! オリヴィエ!ちょっとこっちに来てくれ」     オリヴィエは少し離れたところから面倒くさそうに走ってきた。 「なぁ〜に?先生、アタシいそがしいんだけど・・・」 「なぁ、ジュリアスと遊んでくれないか?オリヴィエ・・・」  オリヴィエは俯いているジュリアスを見るとアリオスに向き直って言った。 「やぁ〜よ!ジュリアスとあそんでもおもしろくないもん!」  その言葉を聞いてジュリアスの瞳から涙を溢れさせて走っていってしまった・・・。 「おい!ジュリアス!・・・オリヴィエ、何でそんなに酷いこと言うんだ!ジュリアスが可哀想じゃないか! ジュリアスのどこがそんなに嫌いなんだ?」 「っち、ちがうよ!アタシはジュリアスのこときらいなんかじゃないよ!きらいじゃないけど 、ジュリアス と一緒にいるとドキドキしちゃうから・・・・。」 (・・・そうか、だからわざとジュリアスを遠ざけるようなことを言ったのか・・・)  オリヴィエの言ったことは好きな子ほどいじめてしまう・・・というとてもかわいらしい感情で・・・。でも、 そんなことはジュリアスは知らず、傷付いてしまったのだ・・・。 「オリヴィエ・・・。そんなことじゃジュリアスに伝わらないぞ・・・。ちゃんと心に思ったことは相手に言わなく ちゃ。そんなことしてたらジュリアスに嫌われちゃうぞ」 「なんでそんなことわかるのさ・・・・」 「先生が昔そうだったからさ・・・。先生もそうやってて好きな子に嫌われちゃったよ・・。だから、先ずはジュリ アスに謝ってから自分の気持ちを伝えてごらん・・・。きっとジュリアスともっと仲良くなれるから・・・」 「・・・うん。わかった。そうする・・・」  アリオスはポンポンとオリヴィエの頭を優しく触ると・・・ 「やめてよ!セットした髪がくずれちゃうでしょ!もうっ」 「・・・・はぁ?」  オリヴィエは(きおつけてよね!もうっ)と言うとプリプリ走っていってしまった。 「髪のセットねぇ〜。今時の子供は・・・まったく。あぁ、そうだジュリアスを探さなくちゃならないな」 「ダメですよ!アリオス先生。これから、レヴィアス理事長がいらっしゃるんですから・・・」  レヴィアスと言うのはアリオスの双子の兄でこの学園の理事長をしている。何時も仕事で忙しくたまにし か会えない兄が久し振りに自分に今日会いに来るのだった・・・。まぁ・・仕事もかねてなのだが・・・ 「まいったな・・・ルノー探してくれないか?」 「僕ですか?すみません、これからジョバンニ先生達とお遊戯会の買い出しに行くんです。」 「困ったなぁ〜。おぉ、いたじゃないかあそこにいいヤツが・・・おーい、カイン!こっちに来てくれ」  ゆっくりとした歩調でカインが歩いてきた・・・。 「何でしょうか・・。先生。」  今迄の経過を話し自分たちが捜したいのだがあいにく用があり探せなく・・。どうにか、ジュリアスを探して 欲しいとカインに頼んだ・・。するとカインは・・・ 「はい。分かりましたジュリアスですね・・・直ぐに探しますから。では・・・」 「あぁ・・・頼んだぞ。じゃぁな・・・・」  カインに安心してジュリアスのことを任せるとアリオスとルノーは職員室に帰っていった。 「・・・・ジュリアス、ジュリアスですね。あの子がいるのはあそこしかないでしょう・・・」  カインは何時もジュリアスがいる場所にと歩き出した・・・。外はもう薄いオレンジ色になっていた・・・。
続く