鴇色の頬

- Karte 2 -
         数週間前に私の頭痛でルヴァに助けを求めてクスリを処方してもらってからと言うのに         どうも、私の頭痛は治らなく・・・ルヴァの館への「お医者さん」通いは続いていた。つい         先程惑星への視察が決まったというのに・・・何と言うことだ!・・・・あだだだだ・・・。くぅ、         また頭痛がしてきたルヴァの館に行かねばならぬな。          りぃ〜んごぉ〜ん。ルヴァの館のベルを鳴らす。むぅ、ルヴァ早く出てこぬか!痛みで         死ぬぞ!!あだだだ・・・・。         「はぁ〜い、どなたですか?」          こっちは急いでいるというのに、のんびりと顔を出すルヴァはせっぱ詰まったジュリア         スの顔色を見て慌てた。         「あージュリアス、また頭が痛いのですか?さぁ、どうぞ中に入って下さい。」          ルヴァは急いでジュリアスを招くと私室に通しいつもの頭痛薬を手渡す。         「ジュリアス、大丈夫ですか?これ以上痛みが続くのであれば精密検査を受けた方が・・・。」         「いや、そうも言ってはいられないのだ。先程惑星への視察が決まってな、これから帰っ          て支度をしなければならない。」         「視察!?随分と急ですね・・。何時からですか?」         「明日からだ・・・」          落ち着き払ってジュリアスは言う。         「明日って!どうするんですか!そんな身体で・・・・」         「それで、今日は相談をしに来たのだ・・・頭痛まで連れてきてしまったが・・・・」                   苦笑しながらジュリアスは空になったコップを置いた。         「頭が痛くなる度にそなたにクスリの処方をしてもらったが、やはりこのクスリが効くの          だ。視察にこのクスリを常備薬として持っていきたいのだが・・・・」         「日程は?」             「下界の時間で・・・・そうだな、1ヵ月くらいだな」         「いけません!!」           とても強い口調で言った。何故だルヴァがこの様に大きな声を出すなど珍しいではない         かいつもは腹に力の入っていないような声しか出さぬのに・・・・。(暴言)         「何故だ?ルヴァ」         「新薬は薬本に掲載されてから、1年間14日間続けての処方は禁止されています。」         「14日間、続けて痛くなるとは限らぬだろう・・・。」         「そうですか?では・・・」          ルヴァは奥の部屋から1冊の小さな本を持って来てペラペラと捲り始めた。         「そうですねぇ〜。貴方が頭痛がすると言って始めて私の邸に来たのが○日、それから続          けてそうですねぇ〜この数週間、毎日助けを求めに私の館に来ている様ですが・・・。」                   それは、ルヴァの付けている日記帳のようだ。         「でも、このクスリが一番効くのだ!」         「ですが、もしもの事を考えて下さい。その為にこう言う決まりがあるのですから・・・。副          作用があったらどうするのですか?」         「その時は、その時だ。自業自得と言うことだ。」          その言葉にルヴァは瞳を驚きで見開く。         (驚きですねぇ〜。ジュリアスがこの様なことを言うなんて、他の人には自己管理をきち          んとしろ。と言っているのに自分の自己管理は蔑ろなんですから・・・困ったものです。)         「ルヴァ、頼む何が起こってもそなたのせいにはしないからこのクスリを処方してくれ」                  必殺ジュリアスのうるうる攻撃ですね。これに私が弱いと思って今回はそうは・・・・・・・・         分かりましたしょうがないですね。         「・・分かりました、仕方がないですね。良いですか?このクスリを処方しますが頭の痛み          が限界点を越した時にこのクスリを飲んで下さいね。(少し痛いなぁ〜)と言う時は少          し我慢して、そうですね〜早く寝て下さい。良いですね!」         「分かった。」                   クスリを受け取ろうと手を伸ばしたところにルヴァはクスリを持ち上げて言った。                   「本当に分かりましたか?ジュリアス」         「あぁ、分かっている」         「本当ですかぁ〜?」         「しつこいぞ!!」          くわっとジュリアスが怒る。          (全くルヴァめ!もう少し信用してくれても良いではないか!)          (・・・ジュリアス。本当に大丈夫でしょうか?あぁ、良い考えが閃きました!そう           です。そうです、こうすれば大丈夫でしょう・・・・)           何やらくるりとジュリアスに背を向けてルヴァはごそごそとやっている・・・。何を          しているのかと覗き込もうとした時、ルヴァが満面の笑みで振り返った。何だかこ          の微笑みは邪気が感じられる(作者談)         「そうですね、首座の守護聖のジュリアスの誓いは疑うべきではありませんね・・・。す          みませんでしたジュリアス、さぁどうぞお持ちになって下さい。」         「あ・・・あぁ、分かればよいのだ」           プリッと頬を膨らませながらルヴァのクスリを受け取った。         「さぁ、ジュリアス早く帰って明日の支度をしなければならないのではないですか?」         「そうだった、急がねばならないな・・・。それではルヴァ、クスリのこと例を言うぞ」         「いいえ、気になさらないで下さい・・・お気を付けて・・・」         「あぁ・・・・」          私はジュリアスを見送りました。あぁ、そんな何時までも手を振らなくても良いです         よジュリアス。ふふ・・・そのクスリ効くと良いですね。多分貴方が視察から帰る頃には         貴方のその頭痛の正体も分かっていることでしょう・・・。            ルヴァの不気味な笑いは夜空に吸い込まれるのでした・・・。              
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