スギナ
僕が聖地に来て1ヶ月がたった。大きなお屋敷と回りの人達が色々してくれるのにも少
しなれた感じがする・・・・。今日はジュリアスと聖地をお散歩するんだ。あっ、お散歩って
言ったらジュリアスにまた怒られる。お散歩じゃなくて、見回りだった・・・。大人の守護
聖様から『自分たちの作り上げる地をしっかり見て感じなさい』って言われているんだ。
もうそろそろ、ジュリアスが来ると思うんだけど・・・・
・・・・・・コンコンッ。
「光の守護聖・ジュリアスだ。クラヴィスをむかえに来た。ここを開けてくれぬか・・・」
玄関の方の扉からジュリアスの声がした。僕の回りにいた執事の皆は慌てて扉の方に向
かったけれど僕はその皆よりも早く扉に着いて扉を開いた。
「いらっしゃい、ジュリアス。」
「迎えに来たぞ、クラヴィス。さぁ行こう!」
ジュリアスは僕と違って、テキパキ動く。それで何だか怖いんだ・・・・僕が少しもたもた
すると大きな声で怒るんだ・・・。本当は仲良くしたんだけど、どれくらい仲良くして良い
のか分かんないんだ。どうして良いか分からなくて黙っているとまた怒られるし・・・。歩く
早さも違うから何時もジュリアスより遅れちゃう。だから今日僕はジュリアスの手を握っ
てみることにした。そうすれば、ジュリアスと同じ早さで歩けると思ったから・・・
ジュリアスの白い手を『ぎゅっ』っと握ってみる。
「・・・・・・・っっっ!?」
「えへへ・・・・」
ジュリアスはビックリしたように青い瞳をいっぱいに広げて僕を見た。そんなに驚いた
のかな・・・・。でもジュリアスは次の瞬間には何時ものジュリアスに戻って僕の手を引いて
歩き出した。
「はやく行くぞ、クラヴィス・・・・」
「うん。」
てくてく僕はジュリアスの後を付いていく・・・ジュリアスはすたすた歩いていく。お日様は
ぽかぽかで気持ち良い。お花も噴水もお日様の光に浴びてキラキラとても綺麗。見回りの途
中ベンチでお休みしながら見回りを続けた。でもその時気になったのはお休みするたんびに
手を洗っていたのが気になったんだけど・・・・。
その内お日様も沈んできて見回りもお終い。ジュリアスは僕をお屋敷まで送ってくれた・・・
それで気になったから夕ご飯の時、執事のフォルヴィアに聞いてみた。
「フォルヴィア・・・1つ聞きたいことがあるんだけど・・・・」
「何でございましょうかクラヴィス様。」
「あのね、ジュリアスがね。何時も手を洗っているんだけど・・・」
「何時も・・・・ですか?」
「うん、さっきあらったばかりなのにまたあらったありしているんだ・・・何でだと思う?」
「そうですね。ジュリアス様は潔癖性なのでしょうか・・・」
「けっぺきしょう?」
“けっぺきしょう”ってなんだろう?
「ご存じありませんか?クラヴィス様は・・・」
「うん、教えてフォルヴィア・・・」
「そうですねぇ・・・“潔癖性”と言うのは何時も綺麗でいないとダメな一種の病気みたいな
ものですね・・・。汚い物が嫌いな病気です・・・」
「きたないもの・・・・」
「えぇ、そうでございますよ。さぁ、クラヴィス様もうお休みになった方が宜しいのでは?
今日は沢山歩いてお疲れになったでしょう・・・」
「うっ、うん・・・」
僕は急いでお風呂に入ってベッドに入った。今日は歩き回ってずごく疲れたはずなのに
全然眠くならないんだ・・・。眼を“ぎゅっ”ってつぶってみたけどダメだった。
だって、ジュリアスがあんなに手を洗っていたのは僕のせい?汚い物が嫌いな病気って・・・
汚い物って僕のこと・・・・僕がジュリアスみたいな貴族じゃないから?ぼっ、僕が流浪の民の
子で・・・・お父さんもいないから・・・だから、ジュリアスは手を洗うの・・・?
うっ・・・・・ぐずっ・・・・ジュリアスは、聖地に来た時から色々と仲良くしてくれたけどあれ
は多分大人の守護聖様に言われたからなんだ・・・。きっと、言われなかったら僕とは遊んで
もくれないんだ・・・・。
ジュ、ジュリアスに近付かないようにしなきゃ・・・。ジュリアスは汚い物が嫌いなんだか
ら・・・。今迄1人だったんだもの・・・・また、前に戻るだけだから1人でも大丈夫・・・。
僕はその夜、朝日が差し込むような時間まで眠れないでいた・・・。

次の日、ジュリアスがまた「見回り」だってお屋敷に来た。その時「目が真っ赤だぞ」っ
て言われたけど僕は何も言わなかった。それに手も繋がなかった。
ジュリアスは・・・・・汚い物がキライ。
「・・・・・クラヴィス、具合が悪いのなら帰ろうか?」
僕は“ううん”と頸を振った。足下がフラフラするけど大丈夫。
「だが、フラフラしているぞ。そなた熱でもあるのではないか?」
僕はまた“ううん”って頸を振った・・・。その時するりと僕の額に冷たい物が当てられた。
「ほら、少し熱いぞ・・・クラヴィス帰ろう。」
「・・・・!?」
冷たいと思っていた物はジュリアスの手だった。ジュリアスは自分の手で僕に熱がない
か調べてくれたんだ・・・・それに今は手を繋いで“早く帰ろう”って歩いている。どうして?
ジュリアスは汚い物が嫌いなのに・・・汚い僕が嫌いなのに・・・・どうして?
「どうした?クラヴィス・・・あっ、もしかしてまだ匂うか?」
ジュリアスはしわっと眉に皺を寄せて掌をくんくんと嗅いだ。
「実は昨日、面白い色をした虫が庭にいたのだ。触ってみたら凄く臭くて・・・・幾ら洗って
も匂いがなかなか落ちなくて・・・。見回りをしている時もこまめに手は洗ったのだが・・・」
「・・・・ぷっ」
「笑いごとではないのだぞ!クラヴィス、あの虫の匂いの臭さと言ったらあなどれないの
だ!今度いたらそなたにも教えてやる!」
「あはははっ・・・・」
笑いながら涙がポロポロ出てきた。ジュリアスは僕の心配をタンポポの綿毛みたいにふぅ
と飛ばしてしまって悩んでいたのが馬鹿みたい・・・。ジュリアスは僕が笑ったのがいけない
のか頬をぷりっと膨らましてスタスタ歩いていく、僕はジュリアスの手を握って、てくて
く歩く。お日様ぽかぽか。お花も噴水もお日様の光に浴びてキラキラとても綺麗。僕の頬
はジュリアスの手を握ってぽかぽか。何でだろう?熱かな?それとも・・・・
END
夏にUPするお話じゃなかったカモ。
こういうお話って春の方が良いですよね・・・(汗)季節無視してごめんなさい。
このお話のキーワードは「お手て繋いで」ですが、システィーナ様への差し
上げ物の「歩調」の子供時代のお話みたいになってしまいました。すみませ
んデス(-_-;)似たり寄ったりのお話で・・・・バキッ!!☆/(x_x)