幼き頃の思い出
・・・それは、筆頭守護聖のお2人がまだ7歳の子頃のお話───────。
「ハッピーバースデー!クラヴィス!!」
目の前に色とりどりの小さな紙吹雪と共にパァーンッと言う音が耳に響いた。
「なっ、何?ジュリアス!?」
派手な音と目覆おう紙吹雪で前が見えない・・。
「クラヴィス、今日は誕生日だろう?だから、おどろかせようと思ったんだ。ビック
リした?」
「び、ビックリしたよ・・・。」
「ふふ、そなたがそんな顔をするなんてはじめて見た。」
ジュリアスは自分のした事にとても満足したように微笑んだ。
「はい、これをクラヴィスにあげる。きれいなブローチでしょ!」
「うんっ」
ジュリアスが差し出した手の中には真ん中に小さな石が埋め込まれたブローチが
あった。
「このねブローチの真ん中にある石がクラヴィスの瞳の色にそっくりだから地の守
護聖さまにもらったんだ・・・。」
ジュリアスはその石に出会った時の嬉しさをクラヴィスに一言も逃さずと一生懸命
語る・・・。
「・・・それでね。ワタシが『どうしてもください』ってお願いしたら・・・。クラヴィ
ス?どうしたの?」
「・・・え?なに?」
クラヴィスはじぃ−っとブローチを見ていてジュリアスの話を聞いていなかった。
それがジュリアスにとって『嬉しくも無い物を貰った』と言うことになったらしく・・。
「ごめんね。クラヴィス・・・。このブローチうれしくなかった?」
ジュリアスはとても悲しそうにクラヴィスの手の中にあるブローチを取った。
「きにいらないモノをもらったって、うれしくないよね・・。ごめんね、クラヴィ
ス。他のモノをまた持ってくるね・・・。」
そのまま、ヒラリと長衣を返してドアの方に歩いていく・・・。
(・・・違うのに、とってもうれしかったのに。ただ、こんなことされたのがはじめ
てでどうして良いか分からなかったの・・。待ってジュリアス行かないで・・・)
「まっ、まってジュリアス!行かないで!!」
クラヴィスはジュリアスを止めようと走り出した・・・。だが、皆様もご存じのように
クラヴィスの服は長衣である。その長衣が足に絡みつき裾を踏んで・・・・
びったぁ−−−−−−んっ!!
「クラヴィスッ!!」
■ ■ ■ ■ ■ ■
「ふふ、そんな事もあったな・・・」
クラヴィスの館に向かう中、ジュリアスは幼少の頃を思い出していた。あれから
随分と長い時間共にいるクラヴィスとはお互いの誕生日には互いの館に行き二人だ
けで祝うことが習慣となっていた・・・。
「クスクスッ、あやつはどんな顔をするかな・・・」
館に着くとノックをしクラヴィスが出てくるまで待つ。その手には幼き頃に持っ
ていたものを持って主が出てくるのを待つ。今年も、来年も、ずっと、ずっと・・・。
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