アオゾラ
ルノーは何時でも純真な心を持つ。それが殺伐としたこの生活にも潤いをきたしている
のだと思う現に僕だってルノーに癒されている。
「ふふ・・・・可笑しいかな。僕が癒されているだなんて・・・・」
「な、なぁにショナ。何か面白いことでもあったの?」
いきなり僕が笑ったことを気にしてルノーは不思議そうに僕を見る。子犬みたいに大き
な瞳はクルクルと良く動き純粋にとても澄んでいる。
「ううん、別に何もないよ・・・。それにしてもルノーは何か楽しいことでもあったの?さっ
きから空ばかり見て・・・」
そう僕たちは今次の場所に移動している間での中休みだ。今日は1日この領地に留まる
ことになったから僕とルノーはテントを抜けて草原に腰を下ろしていた。
「ん〜、そ、空があ、青いから嬉しくなって」
「空が青いから?」
見上げてみれば空は青かった。だけど何時もの事じゃないか・・・。晴れた空が青いのは当
たり前。
「何で空が青いからって嬉しくなるの」
「だ、だって生きてるってか、感じがしない?」
「生きてるねぇ・・・・」
空が青いから生きてるなんて何て短絡的な考えだろう・・・。
「だ、だってさお日様の光をあ、あびて皆大きくなるんでしょ。お、お日様が出ないって
こ、ことは皆がお、大きくなれないんだもの・・・ち、違うの?ショナ」
ルノーは上目使いで僕を見た。
「違うことはないけど・・・」
「そ、そう?よ、良かった!」
僕の言葉を違う意味で受け取ったルノーは嬉しそうにはしゃいでいる。
「ね、ねぇ、ショナ。どうしたの・・・怒ってるの?」
黙ってしまった僕を怒っているのだと勘違いをしたルノーは大きな瞳にうっすら涙を溜め
て僕に聞いてくる。
「別に怒ってないないよ。」
「そ、そう?良かった」
ルノーがそう言ったとき遠くの方で僕らを呼ぶ声がした。
「あ、ユージィンがよ、呼んでるよ」
ルノーは嬉しそうにユージィンの方に走っていった。僕も歩きながら後に続く。そして
ルノーが言った青い空を見上げる・・・・真っ青な空に真っ白な尾の長い鳥が高い鳴き声をだ
しながら気持ちよさそうに飛んでいた・・・・
「“生きてるって感じがしない?”・・・・か」
そう言って走り出したショナの顔には僅かな笑みがあった。
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