春だから・・・

            ハタハタハタ〜と蝶々が舞い、らりらりらぁ〜とクラヴィスが舞っている・・・?            クラヴィス?クラヴィスが舞っている!?            「・・・・リュミエール、一体何があったのだあの者に」            「わ、わだぐじがあさおみがげじだとぎには、あ、あのようだおずがだでじだ。            (訳・私が朝お見かけした時はあの様なお姿でした)」            「分かったから、いい加減泣き止まぬか!みっともない・・・」            「で、っでずが〜」             咲きほこる花の中にクラヴィスの姿を見付けたのはつい今しがたの事、声を掛け            ようと近寄ろうとしたら。らりらりぃ〜と踊り始めたのだ!ジュリアスの目玉は大            きく広がり「ぬぉ゛っっ!!」CCレモンのCMの様な声を出してしまった。一瞬の脳            の情報伝達の拒否により停止していたが直ぐに伝達が開始され、ジュリアスは花び            らを頭から被っているリュミエールを発見したのである。事を聞けばこの様な解答            が帰ってくる。・・・ハッキリ言って、水様の言うことは濁音続きで埒があかない!            「あの舞いは止められぬのか?」                          リュミエールにハンカチを渡してやりながら、ジュリアスは聞く。「すみません」            と一言礼を言うと、ずびーっ!と鼻をかんだ。            「Σ(゚∇゚|||)リュ、リュミエール!」            「ありがとうございます。ジュリアス様、クラヴィス様ですが先程も止めようと試             したのですが・・・どうもこのかよわい私の華奢な腕ではどうにも・・・」             (うそこけ!リュミエール!!何が、かよわいだ!そなたはリンゴを素手で握り潰             せるほどの強力だろうが!そうだ!私はこの間溝にはまったヴィクトールを担ぎ             上げているそなたを見たぞ!それに花見の席で酔い潰れたオスカーを姫だっこし             ているのも見た!それに・・・・)            「何か?ジュリアス様・・・」            「い、いや何でもない」             冷や汗がたり〜っと背筋を通ったのが分かった。ダークリュミ出現である。            「あっ」            「何だっリュミエール」             ダークリュミ出現につきジュリアスは、ビクビク・おどおどリュミエールの言動・            行動にかなり敏感である・・・            「ジュリアス様がお声を掛ければクラヴィス様は元にお戻りになるかも知れません」            「何故!私があの怪しい者に近づかねばならないのだ!!」             (心がない冷血漢だと言われようが何だろうが構わぬ!例え幼い頃から共に過ご             してきたとは言え。あの様な不気味な者(酷い(T▽T))に近付いたら何をされ             るか分からぬ!!)            「ジュリアス様!あぁ何とお可哀想なクラヴィス様、唯一お心を開いているジュリ             アス様に助けて頂けないなんて・・・なんて・・・なんて・・・」             ダークリュミエールは花の中に綺麗に見えるように計算をして泣き崩れた。する            と近くを通りかかった鋼・夢・地の守護聖が近寄ってきた。            「何、リュミエール泣かしてんだよ!おっさん!!」            「い、いや・・・これには訳があるのだ!」            「止めて下さいゼフェル、ジュリアス様を責めないで下さい。悪いのは全て私なの             ですから」            「まぁ、なんて優しいのかしらねぇ。リュミちゃんたら☆」             と完全にリュミエールの演技にだまされている鋼・夢・地一行である。             (何故、ここで私が責められねばならぬのだ!私は当然の事を言ったまでで・・・             あぁ、皆に言ってやりたいリュミエールの本性を!言ってやりたい!言ってやり             たい!(じだんだ)だが後が怖い!むきぃー!)             ジュリアスが地団駄を踏んで悔しがっている頃、リュミエールは3人に説明が終            わったようである。            「・・・・と言う事なのです。グズッ」            「そう言うことならやってやれよ!ジュリアスッ!!」            「そうよ!長い付き合いでしょ!」             (言うと思った!私の気も知らないでそなた達は勝手な事を・・・その声を掛けるだ             けの事がどれほど恐ろしいことか・・・)            「はいっジュリアス!行ってらっしゃぁーい☆」                         オリヴィエに後ろから方を押された。                        「まっまだ、私は行くとは・・・・」             後ろを向いてオリヴィエを止めさせようとすると、オリヴィエの後ろに腕組みを            しているリュミエールが見えた。            「(おっ恐ろしい)・・・わ、分かった。行くから押すなオリヴィエ」             ジュリアスはオリヴィエを振り解き、乱れた衣服を整え深呼吸をするとクラヴィ            スの方に歩き出した・・・。             (何故、こういう決まってクラヴィス絡みの時に私が居合わせてしまうのだろう             しかも、リュミエールともだ!あの者は何時もクラヴィスと共に居るから予想は             出来るがこう何時も何時もだとあの2人が言い合わせているとしか思えん!あぁ、             あの漆黒の髪を靡かせて嬉しそうに舞っているではないか・・・はぁ、どの様な悪             い物を食したのだ・・・クラヴィス。同胞として嘆かわしい・・・とか考えている内に             もう目の前ではないか・・・・)             腹の底に力を溜めて、深呼吸をした。            「・・・クラヴィス」             大きな声を出したつもりだったが、実際は蚊の鳴くような声だった。            「その様な小さな声では聞こえませんよぉ〜ジュリアス」             (っく、ルヴァめ今迄、何も喋らなかった癖にいらぬ事をその様に叫ばなくても)            「クラヴィスッ!いい加減にせぬかっ」             今度は大きな声でクラヴィスに呼びかけたジュリアスは、くるぅ〜りと振り返っ            たクラヴィスを見て泣き出しそうになった。            「ク、クラヴィス・・・もう踊り疲れたであろう・・・そろそろ・・・」             言葉を続けようとするジュリアスに向かって、突進して来た。            「(ヒーッ何なのだ!)ちょっクラ・・・・」             逃げようと体制を整えようとした時にひしっとクラヴィスに抱きしめられてしま            った。それは、抱きしめると言うよりも万力で締め上げるというもので骨が軋む音            がする・・・            「くっ、くる・・・し・・・・」             ジュリアスの生命の危機の訴えかけもクラヴィスは聞き入れず、ジュリアスの首            筋や頬にすりすりと頬ずりをしてくる。            「何なのだ!クラヴィス!!」            「(すりすりすりぃ〜)」            「おいっ!そなた達、見ていないで助けろっ!」             かっとジュリアスは叫ぶが皆安心しきったような顔をしている。            「ですが、一応クラヴィス様の舞いは止まりましたし。お2人が仲良さそうですし、             別段困る事もないですし・・・」             始めの濁音続きのリュミエールはどこへやら、落ち着き払ったリュミエールはに            こやかに微笑むとそう言いきった。            「そうだねぇ〜、別に踊りが止まればいいよ☆」            「そうだな・・・」            「2人が仲良くすることは言い事ですからねぇ〜」                        そう言ってその場を4人は去ろうとした。            「そなた達が困らなくても、私が困るのだっ!おい!聞いているのかそなた達!!ク             ラヴィスが舞っていたのはどう説明するのだっ!!」            「あ〜春ですから、そう言うこともあるかも知れませんねぇ〜」            「何だとっ!?では、クラヴィスが舞っているのも。私に抱きついて頬ずりしている             のも。リュミエールが恐ろしいのも。そなた達が楽観的なのも。春のせいだと言             うのかっ!!」            「えぇ・・・・そうです。全ては、春のせいですよ。」             そう、全部・全部春のせい・・・             みんな・みんな春のせい・・・             「そんな事は断じて認めんぞ!誰か助けんかぁ〜〜!!馬鹿者ぉぉぉぉ〜〜」
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