恥じらい6。

 
        


   
恥じらい6
              「はぅ〜・・・・。」              只今クラヴィスは元気がない、元気がないと言えばいつものことだが(爆)             「病気」と言うものではないらしいどうやら「恋煩い」の様だ。オリヴィエ達の             作戦ですこぉ〜し前進したと思い込んでいるクラヴィスは前回ジュリアスにもら             ったハンカチを大事そうに眺めている。              「(ジュリアスに貰ったハンカチv)」              クラヴィスはハンカチを貰って速攻ビニール袋に入れて「ジュリアスの匂い付             きハンカチ」を真空パック状態に何時も持ち歩いている。暇な時には取り出し眺             め、夜寝る時は枕の横に置き、朝起きた時は「おはよう」と声を掛ける。まった             く乙女なクラヴィスである。              ところで、ジュリアスはと言うと窓を開け放ち夏の青い風を感じていた。強く             もなく弱くもなく優しい風が室内を駆け抜ける・・・。長い金糸がそよそよと風に             揺れる・・・。              「ふぅ・・・こんなに穏やかな風に吹かれると眠くなってくるな・・・。いかん、い               かん!首座ともあろうべき私が神聖な執務室で眠りこけるとはっ他の守護聖               に面目が立たないではないか!仕方がない窓でも閉めるか・・・」              ジュリアスは眠気を覚ますようにベチベチと自分の右頬を叩くと椅子を立ち上             がり後ろの窓を閉めようとした・・・がっ              「ぬぁぁぁぁ〜っ!!」              ジュリアスが苦痛に叫ぶ、ちょうどその時ジュリアスの部屋にルヴァが入って             きた。              「(・・・・・?今、ジュリアスの声が聞こえたような・・・)」              愛の力とは偉大である。総防音壁の守護聖の壁を抜けてジュリアスの声がクラ             ヴィスに聞こえたと言うのである。まったくもって恐ろしい・・・・いや素晴らしい(汗)              「(どうしようかな?行ってみようかな?でも何もなかったら【何用だ!】って               怒られるし・・・。どうしよう・・・)」              クラヴィスはむ〜、む〜とおつむのキャパ(笑)いっぱいに考えてバクりそうに             なった時、目線の先に花瓶に生けられた花を見付けた。クラヴィスはそれをひっ             掴むとバタンッと勢い良く開け普段からは予想できないほどの早さでジュリアス             の部屋の扉にへばり付いた。              「(はぁ、はぁ、はぁ、じゅ・・・ジュリアスッ)」             一つ断っておくがクラヴィスの息切れは変態さんの興奮の様なものではないのよ            ほら、普段運動しないから息が切れてしょうがないのです・・・。             今はお昼休みが終わったばかり、人通りも多い廊下でクラヴィスの行動が目立た            ないはずがない。その場面に居合わせた人々は「見てはならぬモノを見てしまった」            と目を合わせないように目線を落とし足早に去っていくのでした。             クラヴィスと言うと              「(す〜、はぁ〜)」             と深呼吸をするとコンコンとノックをしてジュリアスの返答を待った・・・。待って            待って待って待って・・・・だがしかし、返事が返ってこない。              「(【入れ】も【誰だ】も言ってこない。どうしよう、入っちゃえ)」             クラヴィスはノブを掴むとすぅーっと扉を開けた。そこには・・・・              「なっっ!」             思わず括弧書きの語りのクラヴィス様も声が漏れてしまうほどの衝撃だった。             扉を開くとそこには長椅子に腰を掛けルヴァに両頬を挟められ上を向かされ            ているジュリアスがいたのだ!              「(しかもジュリアスの頬が赤い!しかもジュリアスが泣いている!)」             クラヴィスはダンダンとじたんだを踏むとジュリアスを虐めているルヴァの肩を            がっしりと掴んだ。              「えっ?クラヴィスですか・・・あ〜驚かさないで下さいよぉ〜」             おおよそびくりつ(某化粧品CM)のように驚いたように見えないルヴァである。              「・・・クラヴィス?」             瞳を閉じていたジュリアスはクラヴィスと言う言葉に反応して瞳をゆっくりと開            ける。涙で濡れた瞳をクラヴィスに向ける・・・するとクラヴィスはまるでスローモー            ションのように持っていた花をぽとっと落とすとルヴァの両肩を掴んで激しくシャッ            フルした。             「(ルヴァめ!ルヴァめ!ジュリアスを!ジュリアスに!ジュリアスが!むき〜っ!)」             「あ〜れ〜、クラヴィス止めて下さいぃぃぃぃ〜・・・ターバンが、ターバンが・・・」             激しくシャッフルするせいでルヴァの命のターバンが崩れ落ちようとしていた。            聖地公認校則?「ルヴァの素の頭を見た者は結婚しなければならない」をクラヴィ            スは余りの怒りに忘れているようである・・・クラヴィスのシャッフルは一層激しさ            を増す。             「(ルヴァめ!ルヴァめ!許さないぃぃぃぃ〜っ!!)」             「・・・・・」             クラヴィスとは違いルヴァはもう抵抗する力も残っていないようだ噂のターバン            はすんでの所で落ちてはいない・・・。             「(むき〜っ、むき〜っ)」             クラヴィスはルヴァを揺すり続ける。その時・・・             「取れたっ!!」             いきなりジュリアスが叫んだ。取れた?取れたって何が?とクラヴィスは「ほえっ?」            っと見るとハンカチで目元を押さえているジュリアスがいた。             「はぁ、やっと取れたぞ!こんなに大きなゴミが入って・・・ルヴァ?どうしたのだ?              クラヴィスも・・・・」             ジュリアスは何やら自分のことに一生懸命でクラヴィス達の行動に気が付いていな            いようだ。            「それよりも見てくれ、先程の風でこんなに大きなゴミが眼に入ってしまってな先             程ちょうど入ってきたルヴァに助けを求めたのだ。さすがはルヴァだな目薬を持っ             ていた故ようやっと取れた。して、クラヴィスどうしたのだ?珍しく私の部屋など             に来て・・・・」            「(・・・と言うことは、ジュリアスが泣いていたのは眼に入ったゴミを取るために              ルヴァが目薬を差したせい?でもジュリアスの頬が赤いのは・・・・)」             クラヴィスは無意識の内にジュリアスの頬をじ〜っと見つめる。ジュリアスもそ            の視線に気が付いたようで・・・・手を自分の頬に持っていく・・・            「あぁ、これか・・・。自分自身に気合いを入れたためだ。」            「(って言うことは、って言うことは、ジュリアスは気合いを入れるために頬を自              ら打ってそれを私はルヴァが打ったと勘違いして・・・それで、それで・・・。(///)」             かぁぁ〜っと顔を赤らめて俯いてしまった。            「どうしたのだ?クラヴィス?」             ジュリアスが心配して一歩近付くがクラヴィスは一歩下がる・・・。近付く、下がる。            近付く、下がる・・・            「一体、何なのだっ!そなたは!!」             クラヴィスの分けのわからん行動に遂に切れるジュリアス。愛する人の怒号に瞳            に涙を浮かべてビクッと身体を振るわせるクラヴィスは命よりも大切な宝物をぽとっ            と落としてしまった・・・。           「(がぁぁぁ〜んΣ(゚∇゚|||)。早く拾わなきゃ)」             クラヴィスは精一杯早い動きで、落とした物を拾おうとしたが相手はあのジュリ            アス抜け目がないのだ・・・。拾おうと手を伸ばして後少しと言うところでジュリアス            に拾われてしまった。           「(あっ!)」           「なんだ。これは、私が先日そなたにあげたハンカチではないか・・・。どうしてこんな            物を持ち歩いているのだ?」           「(・・・・そっそれは)」           「何だ?言ってみよ!」           「(///)」                      沈黙する2人。暫く経ってからジュリアスは「あっ!」と大きな声を出した。           「そうか、分かったぞ!クラヴィス!」           「(えっ!?)」            ジュリアス!やっと分かってくれたのですか(感動)そう、クラヴィスは貴方のこ           とを・・・・好いとっとです!!           「そなた、ハンカチ集めが趣味なのだな!」           「(がーんΣ(゚∇゚|||)」           「少し待っていろ・・・」            クラヴィスは茫然自失。折角ジュリアスが自分の気持ちを分かってくれたと思った           のにジュリアスはちっとも分かってくれていなかったのである。ここまで来れば分か           りそうな物だがさすがは鈍ジュリである。           「ほらっ、クラヴィス。このハンカチを持っていくが良い・・・」            そう言うとジュリアスは紙袋いっぱいの新しいハンカチをクラヴィスに手渡した。            「・・・・ありがとう」                     クラヴィスはショックからまだ立ち直れていないがやっとの事でこの一言を言った。            「うむ。」            ジュリアスは満足そうに微笑むとクラヴィスの頭にぽへっと手を乗せた。クラヴィ           スは・・・・・?            「(きゃぁぁぁぁぁーーーーvv)」            と両手で顔を覆い隠していやいやをしながら部屋をマッハで立ち去ってしまった。       残されたジュリアスは物寂しく「ぱたんっ」と閉まる扉を聞きながら鳩が豆鉄砲をく           らったような顔をしたかと思うと            「あやつが走るなど、よっぽど嬉しかったのだな・・・」            クラヴィスの行動をそう締めくくりジュリアスは床に伸びているルヴァを介抱する           のでした。クラヴィスはと言うと今日貰ったハンカチを一つ一つ丁寧にビニール袋に           真空パックし油性マジックで保存年月日○時○分○秒を書き込むと大事そうに引き出           しにしまい込むのでした。                         
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