恥じらい2

          「ちょっとっ!!アンタ聞いてるのっ!!」            バンッ!!テーブルを叩く音と共にテーブルの上のティーカップがカチャカチャと揺れる・・。           「頭の脳味噌までぐうたらになったんじゃないでしょうね!!」            オリヴィエの怒号が闇の守護聖の私邸に響く・・・。闇のサクリアを憩いにしていた庭の小鳥           達も驚いてバサバサと飛び立ってしまった。オリヴィエは大声を出したせいで(はぁ〜、は           ぁ〜。)と息が荒い。           「まぁまぁ、オリヴィエ・・・。落ち着けよ。」            オスカーがティーカップから零れたリュミエール印のハーブティーを拭いている。           「これが、落ち着いていられますかって話よ!!こっちがジュリアスの攻略法を夢の守護聖オリ            ヴィエ様と愛の守護聖オスカーで教えようって言ってやってるのに!キィ〜・・・。この無力無関            心自堕落男が聞いてないからじゃないの!!」              オリヴィエは自分のヒラヒラ舞う服をワシッっと掴むとキィ〜・・・と口でひぱった。           「ちょっとクラヴィス聞いてるのっ?この間のあんなヘッタクソな告白じゃ。鈍感ジュリアスは            気付かないよ!わかってんの!ねぇ!オスカーそうでしょ。」            オリヴィエは怒りが収まらないまま息荒くオスカーに同意を求めてくる。           「・・・オリヴィエ落ち着こうぜ。まぁ、取りあえずは椅子に座ってだな・・・。」            オスカーはオリヴィエの怒りに幾らか飲まれていたが、深呼吸をして自分を落ち着かせオリヴ           ィエを椅子に促した。すると些かオリヴィエも我を取り戻したのか           「まぁ、あんたが言うのならしょうがないわね・・・」            と腕を組みドスッと椅子に座った。瞳はクラヴィスを見たままで・・・。クラヴィスはと言うとオ           リヴィエの怒りが怖かったのか両手を膝の上に置いて身を小さくしている。助けを求めるような           眼差しがオスカーに向けられる・・・。           「はぁ・・・クラヴィス様。では、始めから。クラヴィス様はこの間ジュリアス様に所謂(愛の告            白)と言うものをしたと言うことですね。」           「・・・コックリ」            クラヴィスが頷く。           「あぁ、そうですね。俺達もその場にいましたから、それでその(愛の告白)はジュリアス様に            届いたと思いですか?」           「・・・コックリ」            またも、クラヴィスが頷く。カチャカチャ・・・オリヴィエが先程からハーブティーをスプーン           でかき回している音が幾らか大きくなった気がする・・・。           「しかし、ジュリアス様はそうはお思いになっていらっしゃらない様です。あの後ルヴァと            リュミエールがジュリアス様とお話になっているのを聞いたんですが、こう言っていましたよ・・」                          ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■                         『ルヴァ・・・。クラヴィスに花を貰ったのだが・・・。』             『えぇ。その様ですね(汗)』              何故かルヴァは額に汗をしている。側にいるリュミエールも気まずそうに俯いている。             『これはどういうことなのだろうな。ルヴァ・・・』               『えぇ〜。そうですねぇー。なんと言いますかねぇ・・・リュミエール。』              苦しくなった時のリュミエール。ルヴァは答えに詰まるとリュミエールに解答を回した。             『えっ!?そうですね・・・。クラヴィス様はジュリアス様との仲違いを解消なされたかったの              では?』             (さすがリュミエールッ!!)とルヴァは心の中でガッツポーズ!(私もガッツポーズ(笑))             『えぇ、そうですよ。良かったですねジュリアス。長年の心のすれ違いが今溶けようとし              ているのですよぉ〜』              とルヴァはそう肯定しジュリアスに納得させようとする。ルヴァもリュミエールも涼しい             顔をしているが実は心臓はバクバクいやバコバコいっている(笑)。あの花の意味を伝えない             ようにあーだの・こーだのと頭の中はグルグルしているのだ。ジュリアス相手に下手に嘘は             付けないそんな緊張の中二人は「この時間が早く過ぎてしまえ!」と必死に戦っていた。             『・・・クラヴィス様はお言葉を表現するのが些かお得意ではございませんのでああいう一              見奇妙な行動にでてしまったのではないででしょうか。』              (あぁ、リュミエールこの場に貴方を選んで本当に良かったです)とルヴァは心の中で号泣。             『そうですよ。ジュリアス、絶対にそうです!』              ルヴァは力強くそう言いきるとリュミエールと共に声を合わせてこう言った。             『『お二人の間の仲違いと言う氷は今溶けたのです!!』』              するとジュリアスは・・・             『そうか、クラヴィスとは幼少の頃からの付き合いだから、何時かは分かり合えると思ってい              たのだ。』              と嬉しそうに二人に礼を言うとその場を去っていった。ジュリアスの姿が見えなくなるのを確認            すると二人はその場にヘナヘナと座り込んでしまった。             ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □          「と言うわけです。分かっていただけましたか?クラヴィス様」             あの告白劇?の後の話を全てするとオスカーはクラヴィスに問いかけた。クラヴィスはハッと顔          を上げてオスカーを見る。ガチャガチャとオリヴィエのスプーンの音が最大になった。ハーブティ          ーはもう殆どと言っていいほど、カップには残っていない。          「つまりあんたの告白とやらはジュリアスに伝わっていないわけ!!分かったっっ!!」           オリヴィエは綺麗にネイルアートされた人差し指をクラヴィスにビシィィッと向けるととっても          強い口調でこう言いきった。クラヴィスはオリヴィエを真っ直ぐ見た後、少し止まってテーブルに          (えぇ〜ん)と泣き崩れてしまった。クラヴィスの私邸に鳴き声が響く・・・・。            え〜ん・・・・・・えぇ〜ん・・・・ひっく・・・・ずるっ・・・げほげほっ・・・・え〜ん・・・・・げほっげほっ・・・おえっ・・・           クラヴィスは泣きすぎてえずいてしまっている・・・。余りにもその姿を哀れに思ったのか二人が救          いの手を差し伸べた・・。          「・・・しょうが無いわね。そんなに泣くこと無いじゃない・・・。私達が協力してあげるからサ。泣き止           んでよクラヴィス。ねっ。」           オリヴィエが優しくクラヴィスの肩に手を置く。          「そうですよ。クラヴィス様。俺達に任せて下さい」          「こいつとコンビだなんて不本意だけど、聖地最強コンビの私達に任せなさいって☆」           オスカーがクラヴィスの傍らに立つ・・・。          「「必ずや。ジュリアス(様)を振り向かせて見ましょう!」」           ガシィィッと二人がクラヴィスの肩を掴む。その力強さは心強かったがこの二人に任して本当に大丈夫          なのかと少々不安を感じていた・・・・。  
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