ロザリアの憂鬱
「ねぇ・・・ロザリアさん。もの凄く暇なんだけど・・・。」
「・・・陛下、またですか?」
決まって1日に1回はこの言葉を聞いているロザリアは(またか・・・)と言った具合で
うんざりである・・・。
「暇って言ったら、暇なんだもの・・・」
「駄々をこねないで下さい!」
「わぁ〜ん、ロザリアがいじめるぅ〜」
びーびーと泣き真似をするアンジェリーク。(ほっておこう・・・)と思ったがここで誰か
が来ようものならアンジェリークが泣いているのを自分のせいにされてしまう、言い訳も
多分・・・イヤ・・・絶対信じてもらえないだろう・・・。
(はぁ〜、補佐官になんてなるんじゃなかった。こんなの大きい子供を見ているのと変わ
りないわよね・・・。)
げんなりと肩を落とすロザリアはアンジェリークがこれ以上騒がない為にも新しいおも
ちゃを与えることにした・・・。
「陛下、これで我慢して下さい。」
ロザリアは奥の倉庫からプレステーションとポケットステーション、どこで●いっしょ
(略して【どこいつ】)を持ってきた・・・。
「きゃー、久し振りのプレステじゃない!!」
プレステを胸に抱えて喜びはしゃぐアンジェリーク。実はそれには訳があった・・・以前に
も【暇攻撃】でロザリアがプレステを出してくれたのだが遊びすぎてお預けをされてしまっ
たのだ・・・。
「これなら、テレビに囓り付くこともないでしょうし・・・。」
それはどこいつゲームの特徴だ。始めはメモリーカードであるポケットステーション
(ポケステ)にプレイヤーの名前とポケピを選んで名前を付けてポケステにダウンロード
して、言葉を教えたり、おくりものをしたりして動物やロボットであるポケピを人間になる
ためのお勉強を手伝ってあげるゲームなのだ・・・。つまり最初だけプレステに差し込めばあと
は、ポケステを持ち歩いていればOKなのだ!
「・・・というゲームです。分かりましたか?」
「はぁ〜い!どのポケピを選ぼうかしら・・・先ずはネコちゃんかしら?けってー!」
アンジェリークはゲームに夢中である。
「ポケピの名前?本当は【トロ】って言うのねこの子、この名前じゃつまんないし・・・。そ
うだ!【じゅり】にしましょう!!・・・それで私の名前?うふふ、じゅりときたらクラヴィ
スでしょう・・・クラヴィ・・・って何よ!ブーってはいんないじゃないのよ!何よ!【クラ
ヴィス】って入りきらないの?使えないわねぇ〜・・・・。それじゃしょうがないから【く
ら】で行きましょう!」
陛下は煩悩・欲望にまっしぐらである・・・。全てを入力するとOKを押してどこいつをプ
レーしはじめた・・・。
『はじめまして、じゅりです。よろしく・・・』
「いやぁ〜ん、かわいい〜」
『じゅりはね、人間になるのが夢なの・・・くら色々教えてくれる?」
「いいわよ!なんでも教えてあげる」
『わーい!わーい!くらありがとう!』
「きゃー、ロザリア!見てじゅりったら可愛いぃ〜。ありがとうロザリアこれから私頑張る
わね!」
と1人騒ぎながら扉の向こうに消えて行った・・・。
「大丈夫かしら?陛下ったら・・・。」
優秀な女王補佐官ロザリアは一抹の不安を拭いきれなかった・・。
「何を教えてあげようかしらねぇ−vv」
アンジェリークはルンルン気分で、ポケステを操作している。
「そうねぇ〜、先ずはオスカーから・・・」
ピッピッと操作ボタンを押して入力すると
『オスカーってエッチっぽい?』
「きゃあ、オスカーはエッチだわよvじゅり」
『くらはオスカーのこと好き?』
「え?そうねぇ〜ふつう」
『えへへ、くらのこと好きだからもっと知りたいの・・・。もっと教えてくれる?」
「はいっと」
『わーい!わーい!くら、ありがとう。じゃあね、バイバイ』
こうしてアンジェリークはポケステのじゅりとらぶらぶな日々を過ごしたのである。
コンコンッ
「陛下?」
「・・・・・・。」
コンコンッ。
「陛下?」
「・・・・」
返事無しである。あれからどこいつをアンジェリークに与えてから執務をしている気配
がない。そこでロザリアはアンジェリークの部屋に乗り込もうとやって来たのである。一
応、大人な態度で静かに扉をノックしてみたが返事無し!流石のロザリアも扉を勢い良く
開いて部屋に入るとアンジェリークの笑い声に迎えられた・・・。
「きゃはははっ」
「何ですかっ!陛下!居るなら居ると・・・・」
「ちょっとロザリア見てよー!」
グイグイと引っ張られて、ロザリアはアンジェリークの手の中のポケステを見た。
『聞いて!聞いて!ビックニュース!今テレビでオスカーに隠し子発覚ってやってた』
「うふふっ何ですの?これ」
「笑っちゃうでしょ?ありえる話よね!」
ロザリアは自分が来た理由も忘れてアンジェリークとどこいつを楽しんだ・・・。暫く時間
が経った時、ハタとロザリアはここに来た理由を思い出した。
「そうだ!アンジェリーク!執務を怠っているでしょう!ジュリアスに言いつけますよ!」
必殺「ジュリアスに言いつけますよ攻撃」女王候補生の時のトラウマかアンジェリーク
はコレに弱い。
「ごっごめんなさい!今すぐやります!だからジュリアスには言わないでぇ〜」
アンジェリークはロザリアの監視の元、それから必死に執務をこなした。ポケステのじゅ
りの遊んでアラームが鳴ろうと気にせずにガリガリと執務をしたそしてある時・・・
「あーーーーーーーーーっっ!!」
「何ですかっ!!騒がしい!」
「ろ、ろざりあぁぁ〜」
瞳に涙をいっぱい浮かべてアンジェリークは、縋り付いてきた。
「じゅ、じゅりが居なくなったの・・・」
「へっ?あぁ、1週間プレステに戻さないと逃げますわよ」
「そんなこと知らないものぉ〜」
えぐえぐとアンジェリークは泣き出した。手塩に掛けて育てていたポケステが逃げてし
まったのが相当ショックだったらしい・・・。
「また、育てればいいじゃありませんか」
「・・・・うっ・・・・うぅ・・・」
アンジェリークのショックはそれから暫く続き、それは本物のジュリアスを見ても泣き
出すと言うものでロザリアの頭を悩ませたらしい・・・。ロザリアの憂鬱な日々は続く・・・
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