猫。
3ヶ月前から俺は猫を飼い始めた。名前は“ノア”。黒猫だから“ノア”そう名前を
付けたら跡部に馬鹿にされた。
「お前って単純な奴。」
コレでも一生懸命考えたんだ。“たま”“ミケ”にしなかっただけでも褒めて貰いた
い。なんでも跡部の知り合いの家で産まれた2匹の子猫を跡部が貰い受け白猫を跡部が
黒猫を俺が引き取った。
「お前は黒が好きなんだろう?逆じゃないのか・・・・」
「あぁん?良いんだよ別にコレで・・・・」
「・・・・?」
籠の中で気持ちよさそうに眠る子猫を見る。
「俺が好きなモノをお前が持っていれば良いんだよ・・・」
「・・・・?良くわからん・・・・・」
「相変わらずの激ニブだな・・・・」
すぅっと息を吸い込むと
【自分が好きなモノを自分で持っていても良いが、好きなモノを好きな奴に持っていて欲
しいんだよ!】
と吐き捨てるように言って顔を背けてしまった。大きな声は頭の中を嵐のように過ぎ去
ったがその後には静けさが・・・・。そしてその言葉が手塚の頭に到達し・・・
かぁぁぁぁぁああああーっっ
と頬が赤くなった。
「・・・・分かったか」
「あっ・・・・あぁ・・・」
恥ずかしさの余りお互いにそっぽを向きボソボソと喋る。
「お前が黒猫で俺が白猫な・・・・。」
「分かった。」
眠っている子猫の顎を何度かさすってやるとうっすらと瞳を開けてもっとさすってくれと
強請るように頭を持ち上げる。
「そんなに気持ち良いものなのか?」
「なんだよ・・・やってやろうか?」
そう言うなり跡部の手が伸びてきて手塚の首を撫でる。
「やっ、止めろ。くすぐったい」
「気持ちよくなんねーか?」
「当たり前だ!馬鹿!」
むきーっと怒る手塚を片手で宥めると跡部は白猫を膝に抱き上げ
「お前の名前は“アル”な・・・・」
「なんだその名前は・・・・」
「別に・・・深い意味はねーよ。知りたかったら自分で調べな!」
「教えてくれたって良いだろう・・・」
「教えちゃ意味がねぇーんだよ・・・」
それからどんなに部活が急がしかろうとも必ず週に1度はお互いの猫を合わすようにし
ている・・・・・と言うかそれを口実に2人は合っている。好きだとか愛しているとかデート
とか・・・・シャイな2人はなかなか言えないから・・・猫が2人の繋ぎ役になっている。
そして手塚は跡部の白猫。“アル”の名前の意味をまだ探し当てては居ない・・・。
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